パワハラからの傷病手当金と障害年金
ーパワハラをうけて、適用障害などを発症するケースー
1.健康保険の傷病手当金とは
傷病手当金は、健康保険法に基づき、次の要件をすべて満たした場合に支給されます。
支給要件(4つ)
- 業務外の病気やけがであること
- 療養のために労務不能であること
- 連続する3日間の待期期間が完成していること
- 給与の支払いがないこと
※適応障害は、通常「業務外疾病」として扱われます
(※労災申請をしない限り)
2.ポイント整理
① 診断名が「適応障害」あるいは「うつ病」
- 適応障害やうつ病は、傷病手当金の対象となる代表的な精神疾患です
- 心療内科・精神科の診断であれば支給対象になります
② パワハラが原因であっても申請できるか
→ 申請可能です
- 「直属の上司などからの無理難題による強い心理的負荷」
- 「その結果として心療内科を受診し、適応障害と診断」
この流れは、傷病手当金の実務上、非常によくあるケースです。
※ 労災か否かは「別制度」であり、
傷病手当金の審査では、パワハラの有無自体は直接問題になりません
③ 年次有給休暇を使っている間はどうなるか
→ 有給休暇中は傷病手当金は支給されません
理由:有給休暇中は「給与が支払われている」扱いになるため
※離職後も継続給付を受けるためには、在職中に傷病手当金を受けられる条件を満たしていること
④ 有給休暇を使い切った「その後」
→ 支給対象になります(条件を満たせば)
ポイント
- 有給休暇が終了
- その後も「医師が労務不能と判断している」
- 会社から給与の支払いがない
この状態になれば、傷病手当金の支給要件を満たします
3.「待期期間」はどう扱われるか(重要)
傷病手当金には、連続する3日間の待期期間があります。
待期期間にカウントできる日
以下はすべて「待期」に含まれます。
- 年次有給休暇
- 土日・祝日
- 欠勤日
つまり、
有給休暇を使っている期間の最初の3日間
→ すでに待期期間は完成していることが多い
というのが実務上の結論です。
👉 多くの場合、
有給休暇が終わった翌日から、すぐに支給対象になります。
4.実際の申請で重要になる点(説明資料向け)
医師の意見書(最大のポイント)
- 「労務不能である」こと
- 「いつから就労できない状態か」
- 病名(適応障害)
これが最重要書類です。
会社側の証明
- 休業期間
- 給与の不支給
- 社会保険の加入状況
※ 会社が非協力的でも、申請自体は可能です
5.障害年金との関係(説明資料として重要)
- 傷病手当金
→ 短期の生活保障(最長1年6か月) - 障害年金
→ 長期の所得保障
適応障害の場合、
- 症状が長期化
- うつ病等へ診断名が変更
- 社会的治癒が得られない
といった場合に、障害年金の検討対象になります。
👉 傷病手当金は、
障害年金申請までの生活を支える重要な制度です。
6.まとめ(説明資料用・簡潔版)
- 適応障害は傷病手当金の対象になる
- パワハラが原因でも申請は可能
- 有給休暇中は支給されないが
使い切った後は支給対象になる - 有給休暇は「待期期間」に算入される
- 医師の「労務不能」の判断が最重要

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